美しいデザイン


 日の丸の旗は白地が多いので、ついそこに「必勝!」とか「がんばれ!」などと文字を書きたくなるのはよくわかる。
 昔は、戦場におもむく出征兵士に、白地の上に大勢の人たちが、毛筆で署名して持って行かせたものだ。生きて帰ってくるんだぞ、という祈りのこもった尊いお守りであった。しかし、デザイン的には、子ども心にも、あまりきれいだとは思わなかった。
 
 書こうと思えば、フランスだってイタリアだって、白いスペースに書けるはずだが、書けばデザインが、悪くなりそうに思える。 
 青空に映える白地に赤い日の丸の旗……世界一シンプルなデザインであろう。
 
 明治5年、ヨーロッパの大国オランダが、売ってほしいと、まだ小国だった日本政府に今で言うなら、何兆円もの大金を積んで交渉に来たほどのデザインである。
 バンクーバー・オリンピックでは、かっこよくいきたいな。