照れ屋民族




 
 外国で若い女性にハグされたことが何度かある。外国住まいの長い人は、なれているだろうが、ぼくのような日本人は、ポーとなり、両手はブラーンと下がったきりになる。
 気をとりなおし、背中に手を回してみるが、どの辺に手を当ててよいのかわからない。両手がさ迷っているうちに、たいてい終わってしまう。惜しい! モッタイナイ! 損した!
 左側の絵は戦後、生きて無事帰国できた復員兵と、待ち焦がれた母との再開だ。「ただいま…」「お帰り…」。あとは涙を流しながら見つめ合っているだけだ。日本民族は照れ屋さんなのかなあ。