むかしのマンガ 「夕日くん」


P2


P2


                                                                                                                                                        • -

   

電子書籍になる『フジ三太郎
 


 3年前から「フジ三太郎」を電子書籍にしたいという話がありました。朝日新聞で記者や編集者として優れた仕事をされ、退職後は電子関係の会社を立ち上げられたトップのN氏からです。
フジ三太郎」は、長く残すべきだ、あれは庶民の目から見た昭和の歴史だと、おだてられたのです。

 そしてN氏のおっしゃるには、普通の電子書籍は、印刷された紙のページを1枚1枚スキャン(電子化)するだけですが、「フジ三太郎」は原画を1枚1枚スキャンして、より半永久化を目指します。
 今は紙の本は売れ行き不振、かといって、電子書籍はまだまだ伸びていない現状です。そこに一石を投じてみたい、ということでした。

 始まったのは一昨年の秋からです。「フジ三太郎」の原画を1枚1枚スキャンすると、印刷された本からの場合と違って、原画についた汚れがたくさん現れました。
ホコリ、ごみ、僕の消しゴムの消え残り、欄外にメモした編集者たちの鉛筆の走り書き。手の脂でこすれた鉛筆の灰色の汚れ…。

 何千枚ものそういう画面をデザイナーの皆さんが、1枚1枚きれいに直してくださったことに心から感謝しています。

 僕はその前からN氏に言っていました。野球選手、イチローだって、打率3割台ですよね。26年半の連載、休んだ日を引いても、全部で8千枚はありますよ。
 
 3割でも2千4百枚もあります。それで十分じゃないですか? 
サザエさん」みたいに”選り抜き三太郎”ですよね。「ジーの思い出し笑い」という”選り抜きブログ”をやっていますが、親切なコメントをたくさんいただいて嬉しいです。

 でもN氏は「昭和の歴史的な意味もあるから」と強く言われて、結局、5千枚分も発行することになりました。野球なら6割強の打者です。あり得ない。

 僕はそれを全部見て、このマンガはこうすればいくらかマシになるかと、そのうちの百枚以上、汚れも含めて、文字や絵を修正しました。
 去年の秋から今年の冬にかけてのことでした。高齢者は首も肩も腰もコチコチになりました。そのときの気分は、まさに昭和のプロレタリア文学蟹工船」の労働者みたいなものでした。
 
 

 そして去年の夏からは、この「フジ三太郎」に添える「サトウサンペイ」のインタビューが始まりました。インタビュアは週刊朝日に「夕日くん」を描いていたころの担当者、池ちゃん。
 僕のことを”知りすぎている男”で、余計なことを言わないかと思いましたが、優しい女性ベテラン構成者がいて、面白い読み物になりました。

 ただ4校、5校と朱入れをする校正のやり取りに、ずいぶん時間と精力をつぎ込み、くたくたになりました。これは「フジ三太郎」各編の合間あいまに挟むようです。

 
 この電子書籍は『フジ三太郎サトウサンペイ』と題して、4月10日ぐらいには出るはず。



  以上、長々となりましたが、僕のブログ「ジーの思い出し笑い」が、休みがちになった理由です。何度も見に来ていただいて、まだか! と思われた方々に心からお詫びとお礼を申しあげます。


 (僕の願い)
 
 恥ずかしながら僕は「電子書籍」をまだ一度も読んだことがありません。買い方も使い方も全く知りません。50代から80代までの方々は、ほとんどの皆さんがそうではないでしょうか。

       ちょっと今日は「赤毛のアン」を読んでみようか? 
       今夜はちょっと「シェークスピア」を読んでみようか? 
       ちょっと旅先で「伊豆の踊子」を読んでみようか? 

手許のボタン(?)を2,3コ(?)押すと出てくる。あればたいへん便利だろうと思います。       
10代から40代までを相手にしているだけでは、普及しないと思います。なるべく絵や写真を多く入れたわかりやすい『デジタルブックの「デ」の字から』とでもいう親切な小冊子を添えてほしいと思います。
       
       それが何よりも電子書籍を飛躍的に発展させる最高の策だと思います。

                                                                                                                                                                  • -

お布施の少ない檀家




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー