良寛さんのこころ

 今や、良寛さんを知っている若者は少ないと思う。「子供たちと、ひい、ふう、みー、よー、と手まりをついて遊んでいたお坊さんよ」といっても、わからないだろう。
 そこで新潟県が、今こそ必要な「良寛さんのこころ」をひろめようと、毎年、2月11日の良寛忌(新暦)にシンポジウムを開く。ずっと前、僕もいちど招かれたことがある。
 
「欲を無くせば一切足り、欲する有りて万事窮す」と、その教えは、聴くだけでもすがすがしい。歌や詩、書も素晴らしい。良寛と同時代に生きた夏目漱石もその書をほしがったという。
今なら高度な印刷技術で本物そっくりの書をたくさん作れるから、それをネットで安く売ってほしいな。良寛の書を独占している方々、いかがでしょうか。

 良寛さんにインタビューしたら、「元は、タダか、わずかな酒ほしさで書いたもの。印刷しても良、良!」とおっしゃるだろう。