カーリングと掃除機


トリノ五輪で女子カーリング・ファンが急増した。ぼくもあの四人娘に魅せられた一人だが、石盤のそばをゴシゴシこする姿を見て、ある光景を思い出した。
 
昔は、どこの家にも畳の間があり、よくゴロンと寝転んだものだ。すると、奥さんがそばで掃除機をかけ始める。邪魔だといわんばかりに耳元でガーガーやる。
夫のほうも雑誌や新聞とか読みながら、ゴロンゴロンと寝場所を変える。
すると、またそっちへ追いかけてくる。
選手が持つブラシとの違いはあるが、どこか似ている。電気掃除機のできる前は、箒(ほうき)で体のそばを掃かれていたな。
 だから、日本の女子選手が目覚ましい活躍をしたのは、遺伝子のせいだと思うのである。

保健同人社刊「笑顔」に描いたものから)