ワッハッハ・マンガ


 ことしの3月だったか、そのころに発刊されたマンガ『日本人の知らない日本語』を読み、声を立てて笑った。本に挟まれている読者カードに激賞文を書いて出版社に送ったのは初めての行為だった。
 作者の海野凪子さんは、外国人のための日本語学校の先生。絵と構成は蛇蔵さん。蛇蔵なんておじさんみたいなペンネームだが、若い女性である。
 生徒の一人に、フランスに帰ればシャトー住まいという上品なマダムがいるが、任侠映画のDVDばかり見て、学習してきたので、「自己紹介をお願いします」と言うと、「おひかえなすって! 私マリーと申します」「私のこと、姐さんと呼んでください」と言った。
 先生が「呼べません」と言うと、「水臭いことお言いでないよ」と答える。
 スウェーデンから来た若い女性も面白い。黒沢明の時代劇ばかりで勉強してきた。何かほめると「これはいたみ入ります」と言う。
 面白いマンガに出会うとうれしい。他にも『女どうしだもの』森下みえこ、『かわいいころを過ぎたら』青沼貴子など、「面白いマンガ」が増えているのでうれしい。
 (いずれもメディアファクトリー社刊)